やはり鍵を握るのは教育。
- MAL
- 7月7日
- 読了時間: 2分
私はこの35年間、フォトグラファーという専門職を通して社会を見渡し、またその渦中で生きてきました。そこで常に感じてきたのは、日本には会社員は非常に多い一方で、各専門分野における真のプロフェッショナルが驚くほど少ないということです。
加えて、自ら考え、先を想像して動ける人がとても少ないのではないかという印象も拭えません。誰かからの指示がなければ動けない、あるいは最低限の枠から逸脱できない。そうした姿勢が当たり前のように見える場面に、何度も直面してきました。
私が広告出版業界に身を置いていた頃には、「痒いところに手が届く」ような優秀なスタジオマンがたくさんいましたし、私についてくれていた弟子たちも、本当に頼りになる存在でした。二言三言伝えるだけで、あとはシャッターを切るだけの状態まで現場を整えてくれる。そんな信頼のおける技術者や感性を持った若者たちが、確かに存在していました。
それを思い出すたびに、近年の人材の“質”の低下は否めないという想いが強くなります。
しかし、ようやくここ数年になって、本気で「教育」について語る方々が現れ始めました。今回の参院選を前にしても、教育に情熱を持って語る候補者が登場しているのは、希望の兆しでもあります。
これから日本は、人口減少という大きな現実に直面していきます。その中で必要なのは、数ではなく「質」で勝負する社会。分野ごとのプロフェッショナルを育て、少数精鋭でAIやロボットなども活用しながら社会を支えていくことが何よりも求められる時代に入ってきたのだと思います。
フィンランドのように、日本より二桁も少ない人口で国家を運営している国だってあるのです。つまり、人の質が上がれば、日本でもきっとできる。
結局のところ… やはり鍵を握るのは「教育」です。
人を育てることに本気で向き合わなければ、社会の根底は変わりません。これからの日本を再構築していくためには、一人ひとりが自分の頭で考え、専門性を持って行動できるような人材を育てていく。それこそが、本当に必要な教育なのではないでしょうか。
MAL





コメント