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​存在認知(ストローク)について

私のコンセプトでもありポートレートや家族写真を通してお伝えしようとしている「存在認知/ストローク」についての基礎知識を少し書いてみます。

 

「存在認知 / STROKE」

人の心が生きていく上で一番欲しているであろう「存在認知 / ストローク」

人の心はストロークがないと生きていけない。

心理学用語でいうストロークの定義とは「あなたがそこにいることを、私は知ってる」

 

日常に置き換えるとストロークとは言語・非言語を含めた人と人とのやりとり全てのことをいいます。

そこ(ここ)にいる存在を知っているから、挨拶をする、世間話をする、仕事の話をする、喧嘩をする、愛情を交換する。

 

ストローク(存在認知)が無いと人の心は生きていけません。

故に人が不安に陥ったり恐怖を感じるのは無視・無反応でストローク(存在認知)の無い状態です。

 

ストロークを大きく分けるとプラスとマイナスがあり、プラスのストロークとは、褒める、笑顔、ハグ、など肯定的なもので、マイナスのストロークとは貶す、怒こる、殴る、など否定的なものです。

個人がどんなストロークを行うのかは、幼少の頃からの環境や人間関係、日常で行うコミュニケーションの質によってその人の習慣となっていきます。(年齢に関係なく、意識すればネガティヴな習慣をポジティヴに変えることもできます)

 

人は本来プラスのストロークが欲しいのですが、プラスのストロークを貰えない状況にある人はマイナスのストロークを得ようとする行動に出ます。

何故なら上記にもある様に人の心はストローク(存在認知)がないと生きていけないのです。

 

例えば、愛情を貰えない子どもが悪戯をしたり泣き叫んだり、暴れたり、誰かに危害を加えてしまったりするのは、プラスのストロークが貰えないならマイナスのストロークでも良いから頂戴という言動の場合が多いと考えられます。

これは子どもに限らず大人にも同じことが言えます。

 

プラスのストロークは基本的にプラスのストロークでしか得ることができません。

本来はプラスのストロークによる人と人とのやりとりが健康的なのですが、不健康なマイナスのストロークでの言動が習慣になっている人も少なくありません。

 

人の心が生きていく上で必要不可なストロークを、人はどの様にして他者から得ているのかは「時間の構造化」という6パターンで知ることができます。

(英語からの直訳なので、表現が少し聞き慣れないものになっています)

①閉鎖:他者からのストロークがない状態で、ストロークの供給源を自分の内に求める。

②儀式:挨拶など、他人と深くかかわることなく、そのやりとり(ストローク)を現状維持できる。

③活動(仕事):仕事を通してストロークを交換する。どちらかと言えば理論的。

④雑談(暇潰し):井戸端会議や立ち話などの雑談、ストロークの交換としては楽しいもので、ストレス発散にもなる。どちらかと言えば感情優先。

⑤ゲーム:解りやすく言うと、家族やカップルなどの喧嘩の様なもので、マイナスのストロークのやりとり。

嫌な雰囲気に陥ったり、誰かが怒って部屋から出て行くなど、何かしらのきっかけでいつもの様に始まり、結果嫌な感情に陥る一連の交流。

いつも似た様なパターンなので結果がどうなるか解っていても止められないものである。

⑥親交:今ここという場所で、自発的・直接的なストロークの交換を行なう。心を許し合った深い交わりを行う理想的な時間。お互いに「I'm OK. your OK.」という基本的構えが必要である。親交は他の五つの時間の構造化の方法に束縛されることがなく、とくにゲームを用いて、人を操作したり、利用したりすることがない。愛情などがそれにあたる。

 

簡単にストローク(存在認知)についてお伝えさせていただきましたが、存在認知はそれだけ人の心にとってなくてはならないものであり、人は質の良い「プラスのストローク」を交換し重ねることで幸せや愛を感じることができます。

 

私は心理学の中の複数の心理療法や心理分析について学び、それらが個々に持つ良いところ・使い易い部分を拾い上げ、臨床心理カウンセリングの実践やスキルのレクチャーを行ってきましたが、その中でも交流分析のストロークや論理療法の「捉え方」については、自らの仕事はもちろんのこと日常にも落とし込み日々意識している知識と技術になっています。

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