ポートレートの可能性 / 死ぬまでにもう一度作りたかった自分にしかできないもの
- MAL
- 4 日前
- 読了時間: 2分
私がフォトグラファーとして復帰した時、広告出版業界の頃とは違う、何か他の、誰にも真似できない独自の立ち位置を築こうと考えました。
かつてストリートファッション誌の表紙などで表現していた、私のポートレートスタイルやビジュアルは、他のフォトグラファーやファッション誌に模倣され、大きな悔しさを味わった経験があります。
だからこそ、死ぬまでにもう一度オリジナルなスタイルを確立したい。
その強い意志のもと、簡単には模倣できないであろうコンセプトに着目し試行錯誤を重ね、ここまで歩んできた結果…
「存在認知/ストローク」
を根底としたポートレートに辿り着きました。
そのコンセプトの内容は以下の通りです。
【存在認知/ストローク】
「あなたの欲しい答えは、その一枚のなかに在る。」
私が撮るポートレートは、その一点への集中に努めるものである。
人の心は「ストローク」がないと生きていけない。
心理学用語で「存在認知」とも言われるその定義とは
「あなたがそこにいることを、わたしは知っている。」
「存在認知 / ストローク」をコンセプトに私が撮影するポートレートは、(本人も含めた)ポートレートを見る側とのストロークの交換や信頼関係の構築を目的としたものであり、人が自分自身の存在に改めて気づき、自律し、その純粋性を生きるきっかけを得るものでもある。
その写真の可能性は一般で言うところのプロフィール写真などという領域を超え、自他を含める大切な人に宛てた深いストロークとメッセージであり、時にはグリーフケアのサポートにも適するもので、それらを踏まえるとこのコンセプトは人々の心に貢献できるものであると考えています。
このコンセプトに辿り着いた経緯を振り返ると、一人のフォトグラファーとして、あるいは肩書きを外したひとりの人として、数少ない理解者に支えられながら自分の道を歩んできた「ここ」が、ひとつの到達点であり、私の人生にとって大きな目的の実現であったのだと、あらためて実感する日々となっています。
今回に限っては、多くの人に理解してもらえなくてもいいし、多くの人に届かなくてもよい。
自分が生きている間に、自分にしかできないもの、簡単に模倣されない本物を、もう一度だけ自分の中から生み出したかったのである。
MAL / 丸本祐佐
コメント