部屋の整理と自分の人生
- MAL
- 4 日前
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このところ考えることがあります。
家にある「物」の見える化をやらなくてはいけない(wantではなく、あえてのmust)。
頭や心の中にある思考や感情は、日々の言葉(文章)による外在化(見える化)で、ある程度の整理整頓はできていますが、物理的な物の見える化はきちんとできていません。
僕の場合のその「物」とは、洋服や靴、そしてフィルム時代に仕事や作品撮りで撮影したフィルム、ポスターやカタログ、雑誌の表紙などの印刷物です。
見える化するにもスペースに限りがあるため、捨てるという選択も必要となりますが、洋服類は覚悟を決めて行えば2〜3日で終わると感じます。
問題は仕事の物で、これの見える化は難しいため、保管の量を減らすための「捨てる」という決断ができるかどうか。
実は、中年期の危機の渦中において、人脈やネットワークも含め全ての殆どを捨てた時期があったのですが、手元にあった撮影済みのフィルムや印刷物を多く捨てるには至りませんでした。
広告出版業界にいた当時は年末になるとその年に撮影したフィルムやコンタクトシート、プリント(紙焼き)などが各編集部からダンボール箱に入ってドーンと送られてくるのですが、量が膨大で保管場所もなく整理をする時間もなかったので、シュレッダーにかけるのがやっとのこと(著名人やタレント、モデルなど全てがポートレートだったため念入りなシュレッダー作業が必要でした)。
気に入った表紙や印刷物は実家に送るなどして保管をしていたものもありましたが、かつての台風による床上浸水時に全て浸ってしまったため処分したと聞かされました。
今手元に残っているフィルムや印刷物は、当時仕事で行った量の100分の1にも満たないかもしれませんし、あるいは大きくそれ以上で、全く想像がつきません。
来年60歳を迎える今思うことは、もっと自分の作品を整理・保存しておけば良かったということ。
「これが私の人生です」と、人生を明確に数分で見せられる人はさほど多くないと思うので、作品の整理と保管ができていなかったことについては、人生唯一の後悔かもしれません。
話を戻すと …
部屋の整理整頓や物を捨てる捨てないについても心理学が関係すると言われていますが、本当にその通りで、これも自分と向き合うための時間であると常々実感しています。
今となっては不可能ですが、これまで撮影した全ての作品を目の前に並べ、選択し、一冊の写真集にして手元に置いておきたいという気持ちが込み上げてきます。
が、 それも含めて僕の人生。
フォトグラファーであるならば、その最後に撮るセルフ・ポートレート1枚で「これが私の全てである」ということを表出できる人生でありたい。
… … …
存在認知 / ストローク
「あなたの欲しい答えは、その一枚のなかに在る。」
The answer you seek lies within that one frame.
Photographer MAL / 丸本祐佐
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